田中圭一『村からみた日本史』(ちくま新書)

巷で流行りの『応仁の乱』を読んだ後で、著者の呉座勇一さんが新聞で紹介していたので読んでみました。主に室町~江戸時代にかけて、北関東から越後、東北のあたりの百姓たちの生活(日常生活というよりも財産管理や商業機会の模索、政府との駆け引きなどが多い)を紹介しています。おそらく主な論点は、貧しい→困窮にかられて夜逃げ、といった農民観に反対して、ビジネスチャンスがあれば遠くまで出稼ぎに行くし、不当と思えば政府役人を追い出す(そして実際に全面勝利もあり)といった事実を、史料にもとづいて明らかにすることでしょう。はるか昔に白土三平『カムイ伝』を読んで植え付けられたイメージが実証的に崩されていくのが面白いなと思いました。

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