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橋本毅彦、栗山茂久編著(2001)『遅刻の誕生―近代日本における時間意識の形成―』

Takehiko Hashimoto and Shigehisa Kuriyama. 2001. The Birth of Being Late: Formation of Temporal Awareness in Modern Japan. Sangensha (Japanese) いつから日本人は時間にキビシくなったのか。このテーマは、目覚まし時計に叩き起こされる毎日を送っている我々日本人にとって、一種の恨み節のようなものかもしれません。この本は、様々な分野の研究者が、明治維新直後の頃の日本について、どのように時間が厳守されるようになったかを明らかにした興味深い著作です。第1章の「近代日本における鉄道と時間意識」では、鉄道の発達と庶民の利用こそが、キビシイ時間意識の形成に一役買ったことを紹介しています。また、本書冒頭を読むと、江戸時代のオランダ人は日本人の怠惰さに呆れかえっていたとか。人の意識が形成されるプロセス、とりわけいくつかの偶発的な条件によっていることを明らかにしている点で大変面白い本でした。

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