インフォーマルな研究会のための「日本の地方政治」読書週間の課題本。概要は、民主主義と地方分権の不可分性(第1章)、日本の地方自治と分権改革の経緯概説(第2章)、分権改革後の地方議会の様子(第3章)、首長と議会の二元代表制(簡単にいうと別々の選挙で選ばれるということ)の問題(第4章)、政党間あるいは党派的競争の経験(第5章)という内容で、端的にいうと、1990年代の政治制度改革・2000年代の分権改革が全く地方分権の理念とは別の論理(財政支出削減+中央・地方間での55年体制来の利益還元の仕組みを続けたい人たちの意向)でなされたため、特に地方選挙と政党政治に大きな問題があるということと思います。主流派になりつつあると思われる制度論的解釈を概ね踏襲している印象です。もしコメントがあるとすれば、インタビューを多くなされたようなので、日本の地方政治の実情を報告する1章を付け加えるとさらに深みが出たかもしれませんね。
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