出版」カテゴリーアーカイブ

「マニラのスラムにみる生き延び方――相互依存・賄賂・コネ」

シノドスさんで、去年に書いた拙稿「マニラのスラムにみる生き延び方――相互依存・賄賂・コネ」を載せてもらいました。

スラムの賄賂について書いて欲しいとの依頼を頂いたので、こういう内容になりました。今の日本社会や政治には言いたいことが沢山あるので、人びとを善悪に切り裂く道徳政治の議論とか、「愛国」だからこそ「自虐」してみせるフィリピン・ナショナリズム論の話もしてみたかったです。

前の記事でも書きましたが、この写真でピースしているトトは、覚せい剤きめて酔って警察を刺して、射殺されてしまいました。酒癖は悪いけど、私には悪くない友人だったのですが。

http://synodos.jp/wp/wp-content/uploads/2014/12/DSCF0498.jpg

『承認欲望の社会変革──ワークキャンプにみる若者の連帯技法』

この数年、西尾雄志さん、山口健一さんと散々議論して、ケンカして、酒吞んで、ずーーーっと書いていた「ワークキャンプ」という活動に関する本が、今月はじめに刊行されました。
1999年にワークキャンプに出会って、フィリピンに出会って、素敵な人びとと出会って、人生が素敵な方向に転がっていきました。その感謝の気持ちを込めつつ、第一次大戦後の絶対平和運動から始まったこの活動を、批判的に論じてみました。もうちょっと良いタイトルをつけてあげたかった気がしますが、産んでしまった以上は別人格です。

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『承認欲望の社会変革──ワークキャンプにみる若者の連帯技法』

ワークキャンプは世界を変えられるか? 「苦しさ」を紡ぎ反転させる若者の連帯技法

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<内容紹介>
ワークキャンプというボランティア活動がある。貧困、差別、災害といった問題を抱える社会に赴き、現地の人びとと暮らしながら行なう労働奉仕だ。生身の人 と人が出会い、汗を流して共に働き、同じ釜の飯を喰い、歌い踊り、酒を飲み交わし、床で寝る。そこには筆舌しがたい興奮と感動がある。

もちろん、こうした活動には懐疑的な意見も多い。未熟な若者が現地の人びとの苦しみの前に何をできるのだ、「自分探し」に他者の不幸を利用しているだけで ないか、と。たしかに、若者には、特別な力も知識もない。自分に自信を持てず、不安を抱えながら自分のことを認めてもらいたがっている弱い存在だ。

だが、それでもなお、いやだからこそ、「あなた」と「わたし」の出会いは世界を変えられる。本書はそう主張する。孤独や不安を抱えた若者と、貧困、差別、 災害などに晒された現地の人びとが、「苦しさ」を接点に出会い、新たな共同性を紡ぎ出していく。それは社会の序列を掘り崩し、世界を反転させる反撃の拠点 だ。「弱さ」がツナガリを生み出し、「劣っていること」が力を帯びる。ツナガリの社会変革を模索する新時代の革命論。

<目 次>
序 章 承認欲望の社会変革──ワークキャンプにおける親密性の公共機能
第1章 公と私の円環運動──親密圏が秘める公共性
第2章 「根拠地」へと下降する―安保時代のもうひとつの学生運動
第3章 ワークキャンプの「名づけの力」──中国キャンプの親密圏が秘める可能性
第4章 「祝祭」の共同性──フィリピン・キャンプにおける素人性の潜在力
第5章 “つながり”の現地変革としてのワー

クキャンプ──東日本大震災における唐桑キャンプの経緯と意味世界
第6章 ワークキャンプにおける“公共的な親密圏”生成──唐桑キャンプにみる若者ボランティア活動の意義と危険性
終 章 親密圏が誘発する公共性──ワークキャンプ論のアリーナへ

<著者紹介>
西尾雄志(日本財団学生ボランティアセンター所長。専攻:社会運動論)
日下 渉(名古屋大学大学院国際開発研究科 准教授。専攻:政治学、フィリピン研究)
山口健一(福山市立大学都市経営学部 講師。専攻:シンボリック相互行為論、共生社会論)

2015年3月、京都大学学術出版会より刊行。定価3,400円(税別)。
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