月別アーカイブ: 2015年5月

名古屋大学 政治学ランチセミナー

田村哲樹先生がコーディネートされている名古屋大学政治学ランチセミナーで、「苦しみの反転地」を築くということ──反理念の学生ボランティア」と題して報告をしました。

あまり外部の研究者と議論してこなかったテーマですので、政治学者や社会学者からのコメントは大変勉強になりました。ワークキャンプという事例をつかっているのですが、すごく特殊な事例に思われてしまいがちのようです。

そうならないよう、たとえば、飛び地的な親密圏の形成、あるいは地方政治におけるアウトサイダーの役割など、そこから敷衍的できる、あるいはそこに集約されている普遍的な命題をもう少し強調すると良いと分かりました。

それと、「自分たちの運動自慢」のようにも受け取られてしまいがちなので、そうならぬよう、「なぜ若者が困窮化する社会状況のなかで、なぜボランティアに参加するのか?」などといったwhy question をもっと強調すれば良かったな思いました。

いずれにせよ、おかげさまで、報告の仕方や、自分のポジション、一般的議論への接続方法などについて、いくつかアイディアを得ることができました。報告の機会を設けてくださった方々、お忙しいランチタイムに参加してくれた方々、どうもありがとうございました。

「民主政治における「政治の道徳化」、『レヴィアサン』56号、五野井郁夫先生

科学的政治学を牽引してきた、あの『レヴァイアサン』の最新号で、反原発運動などデモの研究で有名な五野井郁夫先生が、「「民主政治における「政治の道徳化」」」と題した拙著『反市民の政治学』の書評を書いてくださりました。

南世界の貧困など、国境を越えた不正義の解決を目指すグローバル・ジャスティス運動の運動の文脈に、私の「政治の道徳化」の議論を援用してくださり、私自身も勉強になりました。机上の研究だけでなく、様々な運動の現場でも、拙著のメッセージが少しでも役立てば、とても嬉しいです。

私は、統計や数式やゲーム理論を駆使する近年の科学的政治学にまったくついていけず、大きな劣等感をもってきました。高校生の時にマンガと部活と昼寝ばかりで、とことん数学で落ちこぼれてしまったのが悪かったのです。高校数学の教科書を買って勉強し直そうとしてみたのですが、数字を見ると眩暈がおきてしまい、3桁以上の計算ができないのです。

そんな政治学の端っこの端っこにいた私が、劣等感半分、開き直り半分で書いた本が、まさか、科学的政治学の本丸『レヴェイアサン』で取り上げてもらえるとは、驚きです。「数学わからない」といじけてないで、もっと対話していかないとダメなのでしょうね。

拙著を取り上げてくださった書評委員の先生方、書評をかいてくださった五野井先生、ありがとうございます。

「マニラのスラムにみる生き延び方――相互依存・賄賂・コネ」

シノドスさんで、去年に書いた拙稿「マニラのスラムにみる生き延び方――相互依存・賄賂・コネ」を載せてもらいました。

スラムの賄賂について書いて欲しいとの依頼を頂いたので、こういう内容になりました。今の日本社会や政治には言いたいことが沢山あるので、人びとを善悪に切り裂く道徳政治の議論とか、「愛国」だからこそ「自虐」してみせるフィリピン・ナショナリズム論の話もしてみたかったです。

前の記事でも書きましたが、この写真でピースしているトトは、覚せい剤きめて酔って警察を刺して、射殺されてしまいました。酒癖は悪いけど、私には悪くない友人だったのですが。

http://synodos.jp/wp/wp-content/uploads/2014/12/DSCF0498.jpg

The 20th Young Scholars’ Conference on Philippine Studies in Japan

Call For Papers:

The 20th Young Scholars’ Conference on Philippine Studies in Japan

We are pleased to inform you that the 20th Young Scholars’ Conference on Philippine Studies in Japan will be held at University of Shizuoka on July 4 and 5, 2015. The conference will be open to academics, students and practitioners who are interested in issues associated with the Philippines. Young scholars and practitioners are particularly encouraged to present their papers. If you would like to join the conference, please submit the form to the organizing committee by e-mail (20psfshizuoka@gmail.com)
*The form is located at the bottom.

Schedule: 4 July 2015 (Saturday): 13:00-17:00 (provisional)
5 July 2015 (Sunday): 9:00-17:00 (provisional)
(Reception: July 4, 17:30-19:30)

Venue:
School of International Relations, University of Shizuoka, Yada 42-1, Suruga-ku, Shizuoka, Japan 422-8526
http://eng.u-shizuoka-ken.ac.jp/index.html
University of Shizuoka Campus Map
http://eng.u-shizuoka-ken.ac.jp/outline/cam_map/index.html
Access to University of Shizuoka
http://eng.u-shizuoka-ken.ac.jp/outline/access/index.html

Presentation Details:
Individual presentation (for both academics and practitioners):20 minutes for the presentation and 10 minutes for the open forum.
*Please let us know if you need anything other than the usual projector and screen.
*We encourage you to bring your own laptop computer. If impossible, inform us.

Please submit the form by 25 May 2015, Monday. (For non-presenters, by 25 June 2015, Thursday.)

Languages for Presentations:
Japanese, English or Filipino (No translation will be provided.)

Registration Details:
Registration Fee (payable on site):
Full-time instructors 3,500 yen
Graduate students/Part-time instructors 2,500 yen
Undergraduate students/Foreign students 1,500 yen
Reception (payable on site):
Full-time instructors 3,000 yen
Graduate students/Part-time instructors 2,000 yen
Undergraduate students/Foreign students 1,000yen

Submission of the Extended Abstract for the Conference Proceedings:
A presenter is required to submit an extended abstract of the presentation (3 pages of A4 size maximum) to the organizing committee by e-mail by July 3 in MS Word format. If you fail to submit it by this date, your extended abstract will NOT be included in the proceedings.
After receiving your submission, we will send you a confirmation within a week.

Purchasing conference proceedings:
One copy of the conference proceedings will be provided free for all paid registrants. For non-participants who want to purchase the conference proceedings (1,000 yen per copy, domestic shipping in Japan only), please contact us. We will send you a copy upon receiving your payment.

The 19th (2014) Young Scholars’ Conference on Philippine Studies in Japan site;http://home.hiroshima-u.ac.jp/nagasa…/1stcicularenglish.html

Note: For those who live outside Japan attending the conference, the organizing committee does NOT provide any assistance for visa application.

Note: If you do not want to receive emails from the organizing committee of the Young Scholars’ Conference on Philippine Studies in Japan any longer, please contact us.

Thank you very much. We are looking forward to meeting you in Shizuoka.

Prof. Yasuaki TAMAKI (University of Shizuoka)
Chairperson, Organizing Committee
Contact person: Prof. Taihei OKADA (Shizuoka University)
E-mail: 20psfshizuoka@gmail.com / taihei-okada (at) inf.shizuoka.ac.jp

**********************
Registration Form

After completing it, please send the following form to 20psfshizuoka@gmail.com
* We will make sure to send you back within a week a confirmation of registration and receipt of extended abstract. If you receive no confirmation, please let us know again.

Name:
E-mail address:
Affiliation:
Participation types (select one): Presenter / Non-presenter
Reception: yes / no
Do you order a box lunch for July 5 (600 Yen)?: yes/ no

**********
Additional Information for Presenter

Your cellphone number (For emergency use only):
Title of your presentation:
Language to be used:
Abstract (100 words maximum in English or Filipino or 200 characters in Japanese):

第20回フィリピン研究会全国フォーラム

「第20回フィリピン研究会全国フォーラム」の開催案内が届きました。
運営のみなさん、どうもありがとうございます。私も参加しようかと思っています。

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第20回フィリピン研究会全国フォーラム開催について

拝啓 時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
第20回フィリピン研究会全国フォーラムを下記の要領にて開催いたします。フィリピンに関心のある方ならばどなたでもご参加できます。研究発表に加え、 実践的な活動の発表も歓迎いたします。参加ご希望の方は、下記フォームにご記入のうえ、事務局(20psfshizuoka@gmail.com)までお 申し込み下さい。

[日時] 2015年7月4日(土) 13:00-17:00(予定)
2015年7月5日(日)  9:00-17:00(予定)
(懇親会7月4日(土) 17:30-19:30)
[場所] 静岡県立大学(谷田キャンパス) 国際関係学部
住所:〒422-8526 静岡市駿河区谷田52-1
アクセスマップ:
静岡県立大学キャンパス案内
http://www.u-shizuoka-ken.ac.jp/outline/access/index.html
谷田キャンパス交通アクセス
http://www.u-shizuoka-ken.ac.jp/outline/access/index.html#p1
谷田キャンパスマップ
http://www.u-shizuoka-ken.ac.jp/outline/cam_map/index.html

[発表申し込み締め切り] 5月25日(月)
下記フォームに記載して、期限内に事務局メールアドレスまでご提出下さい。
[参加申し込み締め切り] 6月25日(木)
下記フォームに記載して、期限内に事務局メールアドレスまでご提出下さい。
[発表言語]
日本語、英語、フィリピン語(通訳者はつきません)
[発表形式]
研究発表及び実践発表 30分(発表20分、質疑応答10分。予定)
*会場はプロジェクタ使用可能。スピーカー利用の場合は、あらかじめご連絡下さい。
*原則としてノートパソコンをご持参下さい。持参不可能な場合はご相談に応じます。

[参加費]
常勤教員・有職者     3,500円
大学院生・非常勤教員など 2,500円
学部学生・留学生     1,500円

[懇親会費]
常勤教員・有職者     3,000円
大学院生・非常勤教員など 2,000円
学部学生・留学生     1,000円

[抄録集用の発表要旨の提出]
発表される方は、抄録集用の発表要旨(A4用紙3枚以内)を研究会の前日(7月3日)までに事務局宛てにMS Word の添付ファイルにて送付してください。前日に提出がない場合は掲載しません。ファイルを受信後、こちらから受信確認のメールをお送りします。

[抄録集を希望される方]
当日不参加で抄録集を希望される方は、事務局までご連絡ください。一部1,000円(送料込)でお送りします。

[過去の全国フォーラムの目次サイト]
http://www.d1.dion.ne.jp/~zmackey/foruminjapan.html
前回(第19回全国フォーラム)のサイト
http://home.hiroshima-u.ac.jp/nagas…/1stcicularjapanese.html

※海外からの参加も可能ですが、事務局側としてはビザ取得のための支援はできませんので、ご了承ください。

※次回以降、フィリピン研究会全国フォーラムについての情報の配信をご希望されない方は、お手数ですが、このメールアドレスまでその旨ご返信ください。

第20回フィリピン研究会全国フォーラム
実行委員会委員長:玉置泰明(静岡県立大学)
受付担当:岡田泰平(静岡大学)
20psfshizuoka@gmail.com/taihei-okada@inf.shizuoka.ac.jp

*参加申し込みおよび発表要旨を受領後、こちらから受信確認のメールをお送りします。メール送信から1週間たっても受信確認メールが届かない場合は、再度、ご連絡をお願いします。
=======以下をご返信下さい=======
お名前(日本語・アルファベット):
連絡用メールアドレス:
ご所属:
ご住所(抄録送付希望の方):
参加区分: 発表 参加のみ
懇親会: 出席 欠席
7月5日の弁当(600円): 注文する しない

====以下は発表希望者のみ====

携帯電話番号(緊急連絡に使用します):
発表題目:
使用言語:
発表要旨(日本語200字、英語100語以内):

福井令恵(2015)『紛争の記憶と生きる──北アイルランドの壁画とコミュニティの変容』青弓社.

とても嬉しいことに、大学院時代の仲間がまたひとり博士論文を出版しました。「異なる」とされる人びとの間で憎悪ばかりが蓄積していく今日この頃、本書を通じて北アイルランドの経験から学べることはきっと多いはずです。

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http://www.hanmoto.com/bd/img/image.php/978-4-7872-3387-5.jpg?width=500&image=/bd/img/7872/978-4-7872-3387-5.jpg

内容紹介
北アイルランドでは、1969年に大規模な衝突が発生して以降武力を用いた抗争が続いたが、多くの困難を乗り越えて98年のベルファスト合意で〈和平〉が 成立した。しかし、宗教観や国家観、政治的な志向などが折り重なって住民同士が対立した事実は、人々の記憶に根深く残っている。

「話してもわかりあえない」人同士が同じ場所で暮らすとき、感情をどう調整し、コミュニティをどうやって作り上げるのか。北アイルランドの首都ベルファス トの住居や商店の壁に住民が描く絵・イラスト=壁画に着目して、ときに過激に、ときに真摯に、ときにユーモラスに表現している壁画の内容を、参与観察も交 えて丁寧に分析する。

そして、対立関係にあった2つの住民集団が抱える集合的意識や記憶が壁画を介してどう表現されるのかを明らかにして、壁画がコミュニティの記憶とつながりを支えるメディアとして機能していることを析出するフィールドワークの労作。

著者プロフィール
福井 令恵
愛知県生まれ。九州大学研究戦略企画室学術研究員。専攻は社会学、北アイルランド地域研究、文化研究。論文に「コミュニティ・メディア としての壁画――北アイルランド西ベルファストの「想像の共同体」」(「エール」第27号)、「分断社会の二つの歴史と共苦――北アイルランドのリパブリ カン・コミュニティとロイヤリスト・コミュニティを事例として」(「年報カルチュラル・スタディーズ」 vol.2)など。

目次
はじめに

第1章 北アイルランド紛争後社会と壁画――本書の目的と意義
1 他者との〈共生〉と北アイルランド紛争後社会
2 なぜ壁画なのか
3 集合的記憶への接近
4 外部者である調査者(私)の調査地への接近

第2章 北アイルランドという場――フィールドの政治・社会背景
1 北アイルランドに関する前提――用語の問題について
2 北アイルランド紛争・和平へのプロセス
3 ベルファストの空間的概況

第3章 北アイルランドの壁画の歴史と壁画研究――先行研究から明らかにされたこと
1 壁画の歴史
2 壁画研究の歴史
3 本書の方法

第4章 壁画の表象における顕在と不在――何を記憶し、訴えるのか
1 ベルファストの壁画数と題材
2 カテゴリーとその特徴

第5章 壁画のイメージの流通――イメージは、コミュニティでどのように受け継がれ、共有されていくのか
1 壁画の題材はどう表現されるのか
2 イメージの流通と共有
3 イメージの素材(引用元)/ 題材と場所

第6章 観光と社会統合とローカル・コミュニティ
1 北アイルランド・ベルファスト市の観光(限られた空間での、痕跡の強調という方針)
2 都市空間のイメージ――都市の無徴化を目指す政策
3 ローカル・コミュニティの実践――壁画には、どのような変化があったのか/なかったのか

第7章 二つのコミュニティ――和解プロジェクトに見る可能性と限界
1 和解の壁画――『ゲルニカ』プロジェクト
2 「文化」と政治――対立の記憶の表象と題材の困難

第8章 壁画と紛争経験の表象
1 絵という形態が作り出す共同性
2 文化による対話と対立
3 「別の対話モデル」――言い合う、ということがもたらすもの