「平和構築」プログラム

担当教員

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主担当教員:

  • 山形英郎(紛争処理論、国連法)
    • 研究内容と関心
    • 国際法における「人間の安全保障」:カナダにおける「人間の安全保障」概念の中心命題である「保護する責任」に関して国際法の観点から検討する。
    • 紛争の平和的解決:国際裁判を中心に、紛争の平和的解決の構造を「政治的紛争論」から分析する。
    • 条約の解釈:条約解釈手段を定める条約法条約第31条及び第32条に関して、国際裁判所の実行から法理論を抽出する。
  • 西川由紀子(紛争と開発)
    • 研究内容と関心
    • 政治体制の変化(民主化)と紛争の関係
    • 民主化過程における平和構築支援と紛争予防
    • 平和構築支援と国家のガバナンス

主担当教員が取り組んでいる研究プロジェクト(科学研究費などによる)

    1. 「途上国における民主化過程と紛争:現代平和構築支援の再考と課題」(西川)
    2. 「人間の安全保障と国際法、紛争処理論」(山形)
    3. 「持続可能なフェアトレード(公正貿易)のあり方と、その日本における発展の可能性」(伊東)
    4. 「民主化プロセスにおける法の支配アクターの役割」(島田)

平和構築プログラムの内容

平和構築プログラムは、DICOSのカリキュラムでは、次の科目を中心に構成されています。

  • 人間の安全保障と法
  • 平和構築学
  • 平和構築演習IおよびII
  • 比較国際法制システム演習II

(その他の応用選択科目)

  • 国際協力法
  • 紛争の国際政治学
  • 平和構築特論
  • 開発政治学
  • 貧困削減政策論

プログラムの目的

「平和構築」は、最も根底には、平和で人々が安心して暮らせる社会を創造することにあります。これは、開発学にも共通した目標です。そうした社会を 造るために、武力紛争を予防すること、紛争を平和的に解決することが必要です。従って、平和構築には、紛争後の社会や、紛争の恐れのある地域において、武 力紛争を予防すること、紛争を平和的に解決することに貢献するさまざまな取り組みが含まれます。
「平和構築」は、武力紛争や戦争のような、明らかに暴力が行われているような状況ばかりでなく、一見、平和に見えるような状況においても行われなければな らなりません。人々の平和と安全は、さまざまな要因によって脅かされます。従って、紛争の勃発を予防するには、単に暴力を防止することのみならず、社会に 見られる差別や不平等、貧困や失業をなくしていくことも必要であると考えられます。従って、社会開発、貧困削減、雇用の創出、教育、法整備、制度構築、ガバナンス支援、警察組織を改革することなども平和構築の重要な取り組みです 。このような理由から、平和構築は、政治的視点からばかりでなく、経済学、法学、社会学、心理学や文化人類学などの視点からも研究が行われます。
「平和構築」という概念は、学術的には30年以上前から使われています。しかし、現在のように政策議論に広く用いられるようになったのは、1990年代に 入ってからです。従って、国際開発の分野において、平和構築が議論されるようになったのも最近の歴史のことです。今日では、国連をはじめとする国際機関や 地域機構、また二国間レベルでの国際協力において平和構築の取り組みが行われています。しかし、平和構築についての確立したアプローチがある訳ではありま せん。現実に行われている平和構築のアプローチは多様で、実際の活動の教訓をもとに、今後も、その方法論を体系化していく必要があります。

(参考)
大門毅.2007.『平和構築論―開発援助の新戦略』勁草書房.
佐藤誠・安藤次男編.2004.『人間の安全保障』東信堂.
Call, T. Charles with Vanessa Wyeth (2008) Building States to Build Peace, Boulder: Lynne Rienner Publishers.
MacFarlane, S. Nail (2006), Human Security and the UN, Indiana University Press.

アウトプットの人材像

  • JICA、JBIC、UNHCR、UNDP、世界銀行、UNICEF、UNESCOなどの開発援助および国際協力機関で働くプロジェクトプラナー、プロジェクト実施担当官
  • 紛争後の社会で緊急人道支援、復興・開発支援に関わる事業を実施しているNGOおよびコンサルタント会社に努める者
  • ジェトロアジア経済研究所、日本国際問題研究所、FASIDなどの研究機関やシンクタンクで紛争地域および紛争潜在地域について研究するアナリスト
  • 大学教員

近年の修士・博士論文題目例

主な修士論文題目:
  • コソボ暫定統治の研究」
  • Energy Poverty Eradication in Indonesia’s Remote Rural Areas: An Institutional Analysis on the Governance of Electricity Based Energy Service for the Rural Poor
  • Community-Driven Development and Women’s Empowerment in the Reconstruction of Afghanistan: A Case Study of Community Empowerment Programme for Women (CEPW) in Balkh Province
  • Rethinking Higher Education in Afghanistan: Social Focus on Education Reform From 2002 to Present
  • The Construction of Identity of the Kashmiri Pandits in the Kashmir Conflict (1998 to 2009): A Case Study of the Delhi Pandits’ Perspective on Kashmirivat
  • The Impact of UNRWA’s Assitance on Palestinian Refugees in the West Bank: A Study of Aid in Protracted Refugee Situations
  • 紛争後社会における女性のエンパワーメント: スリランカのNGOによる女性世帯主支援を中心に
  • Success of Local Integration of Tajik Refugees in Turkmenistan
  • The role of media in peace building in Afghanistan: Promoting legal crops to eradicate poppy
  • The Issue of Reservations of Nuclear Weapon States to the Protocol to the Treaty on the Southeast Asia Nuclear Weapon-Free Zone
  • スポーツを通した民族間の一体性の構築に関する考察 ーボスニア・ヘルツェゴビナを事例に
主な博士論文題目:
  • 天安門事件後の米中台・日中台関係
  • スリランカの対中東外交政策
  • 冷戦の終結に伴う開発援助戦略の変容と国連 -国連開発計画(UNDP)の活動を通して
  • Thailand’s Domestic Politics and its Foreign Policy-Making:With the Empirical,Study of Chatichai’s Turn the Battlefields in to Marketplaces’ Policy,1988-1991:
  • 投資協定における投資の保護-現地子会社の取扱いを中心に-
  • Humanitarian Activities of the UN Peacekeeping Operations in Africa

5. 卒業生の進路、就職実績

修士課程卒業生:
  • 海外青年協力隊
  • JICE、JICAなどの開発援助機関
  • 東芝、イビデンなど一般企業の環境配慮分野の担当者
  • 市民フォーラム21,NPOセンター
  • 石油公社(アゼルバイジャン、クウェート)の市場開発担当官
博士課程卒業生:
  • 大学教員(タイ、カセサート大学、台湾;開南大学、スリランカ:コロンボ大学、日本:名古屋大学大学院国際開発研究科、名古屋外国語大学、神戸大学大学院国際協力研究科、インドネシア:ガジャマダ大学)