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メッセージ

最終更新日時 2016/04/19

大学の世界展開力強化事業「キャンパスASEAN」Webの開設にあたって

 国際開発研究科は,経済学研究科,法学研究科,法政国際教育協力研究センター,農学国際教育協力研究センターと共同で,文科省・学術振興会の「大学の世界展開力強化事業」を受託することになりました.
われわれは,この「大学の世界展開力強化事業」は,大学教育の大きな方針転換だと考えています.従来の大学の国際化というと,海外から日本に留学する留学 生を多く集めることが中心でした.それが,日本の学生を海外に派遣し,海外で現地学生と交流することも同様に重要視されるようになったのです.

 言葉の壁や入管規制もあって,日本へ留学生する学生はあまり多くありませんでした.そこで,大学の国際化と国際貢献の一貫として,1983年に中曽根首相 により「留学生10万人計画」が提唱されました.また,2008年に福田首相により「留学生30万人計画」が提唱され,それが現在進行中のG30計画で す.しかし,大学の国際化や国際貢献の推進といっても,その現場で活躍するはずの日本の若者は国際社会にあまり出たがらないのが現実でした.そこで,今回 の世界展開力強化事業の実施へとつながったと考えます.
さて,経済のグローバル化により世界の経済地図が大きく塗り替えられつつあります.注目すべきは,中国・韓国・ASEANとアジア諸国が経済発展を遂げ, これらの国々が振興の援助ドナーとなり,「アジア型」開発援助モデルを提唱していることでしょう.「アジア型」援助モデルの特徴は,開発援助と自国の経済 的・外交的利益を明示的に結び付けることにあります.日本の要請主義に基づき,アジア諸国の貧困を解消するという開発援助スタンスは,大きく転換を迫られ ています.

 こうした新しい時代の国際協力に携わる人材は,アジア諸国と日本をつなぐ経済,法制度・政治制度,社会に対する広い視野と外交センスを同時に備えていることが求められます.国際協力を担う組織についても,民間企業の役割が見直されつつあります.

 われわれの「大学の世界展開力強化事業」は,「ASEAN地域発展のための次世代国際協力リーダー養成プログラム」と名づけました.開発援助とビジネスの 間をつなぐ視点を備え,ASEAN地域と日本をつなぐ経済,法,政治,外交等の諸分野で共通認識をもった次世代国際協力リーダー養成を目的としています. この目的の下に,名古屋大学と,シンガポール国立大学,チュラロンコン大学,フィリピン大学ロスバニョス校,ガジャ・マダ大学,カンボジア王立法経大学, ハノイ法科大学,ホーチミン市法科大学の8大学とがコンソーシアムを形成し,学生諸君の交流を図ります.この事業は,参加した学生諸君が,将来は日本と ASEANの架け橋になるきっかけになってもらいたいし,将来の国際協力リーダーたるべく異文化理解力ももってもらいたいと願っています.このWebは, そうした学生諸君の情報交換の場であり,成果を報告する場であります.

 最後になりましたが,本事業の申請にあたり,協力を惜しまなかった名古屋大学国際部および国際開発研究科の事務の方々にお礼を申します.